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旅先での恋

人生のいろいろな場面に立ちのぼる旅先での思い出…。
旅好きの私は、ある時期は夕日を追っかけてひたすら岬巡りをしたこともありました。旅の醍醐味は胸ときめかせるほどの出会いがあることでしょうか。今の仕事はそんな旅先での出会いが引き金になっています。
店頭の片隅で埃を被っている雑貨に目がとまり、ピピッとくると、私を待っていてくれてありがとうとなるのです。人の手で生み出された物たちは人を待っているのです。

もう十年以上も前になりますが、北ドイツでの出会いだったと思います。
私は雑貨店の棚に並んでいた人形に恋をしました。
なんて優しい表情をしているんだろう、なんてあたたかいんだろう…。
木彫かな?と一瞬思ったのですが、ずっしりとした重さと価格からすぐにそうではないと分かりました。
顔には何も描かれていません。衣服にも余計な装飾がなく色彩もほんの少し色付けされているだけのとてもシンプルなものです。なのになんて豊かなのでしょう。人形の一つひとつから、幸福や喜び、慈愛や包容、愛や絆、希望や平安などが内奥から溢れでてきます。
私が日本に連れ帰った人形は、両手でそっと小鳥を抱き、顔をほんの少し傾けてその小鳥を静かに見つめる天使像でした。なんともいえない慈愛に満ちた表情に胸が熱くなり、一瞬にして恋に落ちてしまったのです。雑貨店を開こうと決めた時この人形を日本で探しましたが出会えず、3年以上経った今ようやく再会して店頭の棚に並べることができました。
                     EB26020.jpg

作家はアメリカ在住の女性の方です。人形誕生の工程は、始めは平面にデッサンし、それを粘土で立体にして仕草や表情を付けていくそうです。
ウィローツリーと銘打っていますので、柳の木を彫刻して原型を創っているのかと連想しますが、そうではなく、人形達が醸し出す雰囲気の総称として名付けられたようです。店の棚に並んでいる人形は原型から象った樹脂製でできています。

目鼻のない人形といえばシュタイナー幼稚園での人形を思い出します。人形に目鼻がなく、あったとしてもほんのお印し程度…、なのに子供達は自らのイマジネーションで人形を笑わせたり泣かせたり、威厳を持たせたりしてファンタジーの世界で自由気ままに遊ぶのです。人形に目鼻がつき完成されたものであればあるほど、子供達の想像力は駆使されず固まってしまうでしょう。

シンプルな中に無限の可能性が潜んでいて、そこに豊かな表情を描くのは、人形と出会い対話する私自身の心なのかも知れません。作者の深い人間愛がそのままウィローツリーとして形作られているのを感じます。



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popo

Author:popo
●笹井鳩子profile

 中央林間にある大和田園幼稚園に6年、横浜鶴見の橘幼稚園に34年勤務。(内28年を園長として、2年を顧問として務める。)
長い間幼児教育の道を歩む中で、シュタイナーの人間学に出合い教育観を深める。
また、経験を通して「人は人の中で人となる」を実感する。
退職後、「自らの手で作る喜びを味わう」・「人が出会い絆を結ぶ」、この二つを実現すべく、創造と交流の場として『創造空間Lula & Popo』を開設。

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