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『世界の国から​こんにちは』展を終えて

 人と物との出会いというのは不思議なものだなぁと思います。
店頭に並んだ溢れるほどの商品の数々を横目で見ながら歩いていると、一瞬、足を止めて眺めたり手にとったり、思わず買ってしまいたくなる物と出会いますが、ついつい買ってしまった物の大半は特に必要というものではなく、他の人から見れば無駄遣いに見えてしまうかも知れないもの、だけど何故か引き付けられてしまった当の本人はほんの少し幸せな気分を味わったりするのです。

私の店にはお歳を召したお客様も多く、近頃はリピーターも増え顔見知りになって親しく声をかけあうようにもなりました。
ある時、ひとりのお客様が店内に入ってこられ、商品の小さな人形や置物に目をとめて「可愛いわね」と目を細められたり、キラキラ光る水晶やアメジストの石を眺めたり、手づくりのアクセサリーやハンカチを手にしながらゆっくり商品を見て回っていらっしゃいましたが、「これ玄関に飾ろうかしら…」とハンドペイントの絵を求められました。その時「ここに来ると気持ちが癒されるのよ、だからイライラしたり落ち込むときはここに来るのよ」と話されました。そうなんですね、「もの言わぬ物」でも、ある人と出会った瞬間、瞬時に通い合う何かがあるのかも知れません。見てるだけで心を和ませてくれたり優しさや温かさを届けてくれたり、美しさや精巧な姿形に心震わされたり…、「物」にはそんな力があるような気がします。殺風景な壁に一枚の絵を架けただけで部屋がぱっと明るくなるように、きっと人間の心の壁にも一枚の絵や置物が必要なんだろうと思います。

 2月1日から開催してきました「世界の国からこんにちは」展が終了しました。
展示会を開いたきっかけは知人ご夫妻との雑談に始まります。
海外赴任の多いお仕事をされていて、滞在していた中国で素晴らしい工芸品に出会ったこと、あまりに素晴らしいので買い求めて帰国したけれど日本では飾る場所がなくて残念だ…ということなど伺っている内に私までワクワクしてきて「見てみたい!」という思いがつのりました。「そんな素晴らしい芸術品をしまっていては勿体ない、公開して皆さんに見ていただきましょう」と話が弾み展示会実現となりました。私自身が旅先で出会って収集した物やいただいた物等もしまい込まれて埃を被っています。
店舗2階を展示場に設え、もうひとり協力者が加わり、大小様々な展示品がなんと100点余、一堂に会しました。開催して実感したのは、物にも生命が宿っているということです。飾ったばかりのときは埃を払われたとはいえ鈍く精彩さを欠いていた展示物が、光に照らされ人に見られている内に、生き生きつやつやとなっていくのです。圧巻だったのは知人が熱く語った中国の工芸品でした。真っ白な猿が手刺繍で描かれ額の中に収まっているのですが、最初は、確かに素晴らしいに違いないけれど一見写真としか見えず、大半の人がさらっと見て通り過ぎるのです。そこを引き止めて手刺繍なのよと説明すると、そこでみんながびっくり感動となるのですが、そうやって見られている内に、なんと!猿の毛の一本一本が艶やかに光り出し、微妙な毛のグラデーションもはっきりしてきて立体感が増し、日を追うごとにまるで生きて飛び出してくるかのようなリアルさになっていったのです。最後には遠目にも美しい毛並みが見えるようになってこれには本当にびっくりしました。素材から形へのプロセスを辿って完成する「物」には人の思いが加わりますし、意味あって形が生み出されるのでしょうから、多分物自体が持つ役割もあって、飾られたり使われたりしてこそ「物の生命」は全うされるのかも知れません。大事な物だからとしまい込んでも「物」は喜ばないんだと痛感し反省し、出会った時の感動を思い出させられた展示会となりました。

今、中国と日本は緊迫した関係にありますが、今回の展示で中国の芸術品に出会い、その見事さに感動し尊敬の念を抱きました。他にもオーストラリアやブラジルの先住民族と言われる人たちの素朴でシンプルな工芸品、アフリカの雄大な大地を思わせる絵、ヨーロッパのアンティークからは昔の人々の美意識の高さなどにも触れることが出来ました。こんな風にそれぞれの国の文化や芸術に触れ合えたら、世界は平和になるのかも知れない…と思わされた展示会でした。

見に来て下さった皆様ありがとうございました。
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プロフィール

popo

Author:popo
●笹井鳩子profile

 中央林間にある大和田園幼稚園に6年、横浜鶴見の橘幼稚園に34年勤務。(内28年を園長として、2年を顧問として務める。)
長い間幼児教育の道を歩む中で、シュタイナーの人間学に出合い教育観を深める。
また、経験を通して「人は人の中で人となる」を実感する。
退職後、「自らの手で作る喜びを味わう」・「人が出会い絆を結ぶ」、この二つを実現すべく、創造と交流の場として『創造空間Lula & Popo』を開設。

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