スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

何年か前にイタリア旅行を共にした友人が、「また海外旅行に行きたいです」と熱い思いをぶつけてきました。その思いに触発されて、私の中でも沸々としていた「冬のヨーロッパ旅行」の計画を立てました。仕事柄、クリスマスマーケットが立ち並ぶ冬のヨーロッパ風景を目にしたいと思っていましたので、友人の言葉をラッキーチャンスとばかりに短期間で効率よく回れるツアーに申し込んだのです。ところが友人はぎりぎりになって行けなくなりハテサテどうしたものか…?キャンセルするのも勿体ないし…、
そこで急遽、IT自営業なる我が息子に同伴を依頼しましたらなんとOK。という訳でツアー参加とはいえ初めての海外母子旅行です。12月1日出発の「南ドイツ・オーストリア」を8日間で巡るハードスケジュールのツアーには40名が集まっていました。その大半が若い人達で、友人、姉妹、カップル、母子、そしてシングルとバラエティーにとんでいます。初めて顔を合わせた40名が一人の添乗員に誘導されて団体行動をするのは大変な筈ですが、トラブル一つ生じず、和気あいあいの楽しい雰囲気で旅行が出来たのは、添乗員の手腕と参加者の意識の高さによるものなのでしょう。何だか学校のクラ ス運営に似ているなーと思いました。

さて本題の「旅」ですが、もしかしたら多くの人達は既に出会っていて、今頃?と言われるかも知れない事柄と私は新鮮な出会いをしてきました。
例えば、訪問地のニュールンベルクとナチス、ヒットラーとの深い結び付き…(この地にヒットラーは第三帝国を造ろうとしていた)や、私にとっては再訪のローテンブルクと中世の犯罪観、そして現存する城の中で最も美しいと言われるノイシュヴァンシュタイン城に取り入れられた東洋の美、この城を造ったルートヴィヒ2世とワーグナーとの関係、城の内部に彩られた見事なオペラの場面の数々(取り付かれたかのように魅了したワーグナー音楽に潜むものは何なのか?)、その後訪れたオーストリアでは、貧しかった時代に壊れたオルガンの修理ができず、急遽神父と教師の合作で生まれた曲「きよしこの夜」を当時は陽があたらなかったギターで演奏した、といういきさつを8角形の小さな小さな礼拝堂で聞きました。

次にザルツブルク…。
ザルツとは塩のことで岩塩が採れることを知らなかった、また映画「サウンドオブミュージック」の舞台になったところとは何となく知ってはいたものの、ザルツブルクの至る所で映画の場面が浮かび上がるという楽しさ…。
最後の訪問地はウイーンです。ここで特筆したいのは女帝と言われるマリア・テレジアですが、16人もの子供を産んだ偉大な母、しかし戦わずして領土を広げる手段として子供達を政略結婚させた、有名なマリー・アントワネットもその一人ですが「子は宝」、「子供は財産」という言葉の発祥地はここ?などと穿った考えが頭をもたげてしまう…、そういえば日本の昔にも同じようなことがありましたね。「子は宝」の本当の意味は勿論違う筈ですが…。当時6才だったモーツァルトはこのシェーンブルン宮殿に招かれ、マリア・テレジアの前で演奏し神童ぶりを発揮したとのことです。ザルツブルクに残されているモーツァルトが生まれてからしばらく住んでいた家は商店街の中にあるアパートの3室、モーツァルトハウスとしては別に博物館がありますが私達が見学したのはこの生家の方で、推測するにそれほど裕福でもなくごく普通の家庭に思えました。一家が住んでいた3室以外は一般住宅として現在も日常生活が営まれています。

最終日のウイーン2日目は午後からフリータイムでした。今回の旅行は初日から0度の毎日でしたがその日は更に寒く荒れ模様の天候です。フリータイムでは午後にクリムトの絵を見て、夜は音楽に浸る計画を立てました。これまで見たいという衝動が起きなかったクリムトの絵ですが、ジャポニズムが大きな影響を与えていると知りじっくり見てみたいと思ったのです。でもあまりの寒さにとび乗ったトラムが目指す方向からどんどん外れていき、結局クリムトの絵には辿りつけぬまま夜に予定していたコンツェルトハウスのチケットを購入しに行きました。コンツェルトハウスには大小四つのホールがありますが、1700余席を持つ大ホールは荘厳で素晴らしいものでした。この日の演目は私の大好きな「精霊の踊り(グルック)」やハイドンやモーツァルトの曲をオーケストラで演奏するというものです。私達は57ユーロで正面真ん中のとてもよい席を選びました。観客の大半はご高齢の音楽愛好者達、東洋人の姿は殆ど見かけなかったのに、コンサート終了後のロビーでツアー仲間の若い女性3人組に会いました。彼女達はチケット売場で26才以下なのかと聞かれ、「そうです」と答えると14ユーロを請求されたそうです。「あまりの安さに40ユーロの間違いじゃないかと聞き返した位です。席は前から4列目…」とのこと。この金額の差はなんだ?と思いましたが、多分音楽の都ウイーンでは、若い人達への啓蒙を積極的にしているのでしょうね、うらやましいなと思いました。

ここでいよいよ帰路につくのですが、搭乗を待つ空港のロビーでのこと、添乗員から嬉しいニュースが伝えられました。「カップルで参加していたツアー仲間の男性がクリムトの接吻の絵の前で彼女にプロポーズしました」と。途端、わぁーという歓声と大きな拍手、そして「おめでとう」の祝福の言葉が二人に降り注ぎました。若いカップルの新しい人生への旅立ちを共有した40人は成田から日本の各地に散っていきました。
たった8日間の旅でしたが印象深い出会いの数々、再びじっくりと旅してみたいという思いを強く抱きました。
(相模楽器:Q-on掲載文より)
スポンサーサイト
カレンダー
11 | 2012/12 | 01
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -
プロフィール

popo

Author:popo
●笹井鳩子profile

 中央林間にある大和田園幼稚園に6年、横浜鶴見の橘幼稚園に34年勤務。(内28年を園長として、2年を顧問として務める。)
長い間幼児教育の道を歩む中で、シュタイナーの人間学に出合い教育観を深める。
また、経験を通して「人は人の中で人となる」を実感する。
退職後、「自らの手で作る喜びを味わう」・「人が出会い絆を結ぶ」、この二つを実現すべく、創造と交流の場として『創造空間Lula & Popo』を開設。

最新記事
カテゴリ
ようこそ
最新コメント
おはなしだいすき
リンク
最新トラックバック
検索フォーム
RSSリンクの表示
QRコード
QR
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

月別アーカイブ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。