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春の日に思う


■□■  春の日に思う  ■□■


 私の大好きな詩人、サトウハチローさんの詩集「おかあさん」という本には、お母さんと子供を繋ぐ愛の絆が「詩」という形で沢山たくさん綴られています。そんな愛溢れる詩集を読んでいると私の心まで優しさで満たされていきます。その中の一篇に「坊やよ坊やよよくごらん」というのがあるのですが、その詩は「春はむかしと同じだよ ママがおんぶでいた時と そっくりそっくり同じだよ」と、坊やに「よく見てごらん」と語りかけています。その詩を読んでいて思いました。この詩のように、春は昔と同じだよ…と我が子に語ってあげたいけれど語れなくなってしまった人達が大勢いるということを。
あの、悪夢のような大震災の日が一年という時を経て再び巡ってきましたが、春間近なその日は昔とは全く変わってしまっていました。夢なら目が覚めた時点で終わってしまうことも現実に起きたこととなるとそうはいきません。1年を経た現在も癒されることのない傷となって心を掻き乱し、いつになったら昔のような平凡だけれど温かく優しい春が巡ってくるのか、先の見えない苦しみに心を縛られている人達が沢山いらっしゃるということを思いました。あの災害が地震と津波という自然災害だけだったらもっと早く明日に向かって歩きだせたかも知れません。でも、予想だにしなかった原発事故という人的災害が被害を巨大化させてしまいました。
生まれ育った故郷を失い、当たり前に過ごしていた日常も当たり前ではなくなり、そして多くの愛の絆が断ち切られた無念さは測り知れないと思います。

今現在もそんな状況下に置かれている人達がいる一方で、世間一般は過去という時の流れの中に1年前の事を埋没させようとしています。あの日誰もが味わった緊迫した状態での恐怖や危機感は薄れてきました。日本中の誰もが被災された人達を思い、じっとしてはいられない、何かしなければ、という焦燥感にも似た感情の中でボランティアに駆け付けたり自分なりの支援の動きを始めたり、そしてその輪は大きく広がっていきました。でもそんな気持ちを持続させるのには強い意志の力が必要です。忘れ去らない、風化させないとの思いを持ち続ける事は至難の技ですが、被災された人達は「忘れないで」という事を何より願っているのだろうと思います。この1年「絆」という言葉がみんなの共通語になりました。こんなに人を思い、人のために何かをしたいと思ったことはなかったかも知れません。
誰もが、日常の生活を変わらずに営める事の有り難さを知りました。だから…子供達に「春は昔と同じだよ」と語ってあげられる日常を一日も早く取り戻してあげたいという気持ちでいっぱいになります。何をどうすればいいのか、ひとりの微力な力では不可能と思ってしまいますが、1年前のように日本中の人の「絆」の力を結集させれば実現できるのではないだろうか…と、春の日に悶々と思っている私です。

(Q-onへの連載より)

オレンジバラ*花言葉:信頼・絆・愛嬌
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プロフィール

popo

Author:popo
●笹井鳩子profile

 中央林間にある大和田園幼稚園に6年、横浜鶴見の橘幼稚園に34年勤務。(内28年を園長として、2年を顧問として務める。)
長い間幼児教育の道を歩む中で、シュタイナーの人間学に出合い教育観を深める。
また、経験を通して「人は人の中で人となる」を実感する。
退職後、「自らの手で作る喜びを味わう」・「人が出会い絆を結ぶ」、この二つを実現すべく、創造と交流の場として『創造空間Lula & Popo』を開設。

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